──いよいよ開幕するロンドン五輪。カネと欲望にまみれたそのウラ側を見ていく前に、まずは基本のキをきちんと知っておきたいところ。17日間の熱き戦いにまつわるアレやコレを数値化し、以下にまとめてみました!!
(写真/石黒淳二 go relax E more)
■JOCのスポンサー数…48社
■公式レストラン「マクドナルド」売上予想…175万セット
■1896年アテネ夏季大会から2010年バンクーバー冬季大会までの日本のメダル総獲得数…398個(金132、銀125、銅141)
■北京五輪のNHKの大会平均視聴率…11.5%(民放平均は9.7%)
■日本代表選手団の人数]…293人
■JOCが目指すメダル獲得数ランク…5位以内(最低でも15~18の金メダル数が必要)
■出場予定国・地域数…204カ国
■IOCに対し、日本の放送局が支払った放映権料…325億円
■実施予定競技数…26競技302種目
■開催期間…17日間(2012年7月27日から8月12日まで)
2012年7月27日、近代五輪の記念すべき第30回夏季大会、ロンドン五輪が開幕する。全204の国と地域、全26競技302種目の熱き戦いが、8月12日までのおよそ半月に渡って繰り広げられるわけだ。
1896年、古代ギリシャのオリンピア大祭を手本に、「スポーツによる世界平和」という理想を掲げ、フランスのピエール・ド・クーベルタン男爵の提唱により始まった近代五輪。しかしその理想とは裏腹に、近代五輪は常に、人間の欲望に翻弄されてきた。
ナチスドイツによるプロパガンダに利用された1936年ベルリン大会に顕著なように、国家による国威発揚の道具として利用された戦前期、テロによって選手までもが犠牲になった1972年ミュンヘン大会や、選手のボイコットが相次いだ1980年モスクワ大会、1984年ロス大会の冷戦期を乗り切った近代五輪は、その後、おのれを縛るそれら国際政治の力学を振り払うかのように、あるひとつの”壮大なる自己欲求”を開花させる。その自己欲求とは、商業化による巨大化、である。
世界各地に張り巡らされたテレビ放送網という“自己顕示の道具”をテコにして、世界的大メディアによる放映権料とグローバル企業による広告費という2つの金づるを両輪に、その後近代五輪は、ひたすら加速を続けた。そして約四半世紀、近代五輪は、このロンドン五輪を迎えて、ひとつの完成形を見せつつある。では、その完成形の裏には、どのような利権、しがらみ、そして権謀術数が渦巻いているのか──これを解き明かすことが、本企画の趣旨である。