サイゾーpremium  > 特集2  > 【小谷野敦】が語る“禁煙ファシズム”との闘争宣言

──喫煙をきっかけに、東京大学の職を失った文学者・小谷野敦氏。あまりにも過剰すぎる禁煙ファシズムについて、持論を聞いた。

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小谷野敦氏の著書『禁煙ファシズムと戦う』

 2009年3月、私は東京大学教養学部の非常勤講師を雇い止めになりました。きっかけはその前年、キャンパス内での歩きタバコをある教授に咎められたのに対し、「健康増進法なるものは分煙をうたったもので全面禁煙にしろなどと書いてない」など、正論をもってこれに対抗。ブログでも取り上げ、学部長や総長にも抗議文を送ったことが問題となったものです。

 私は何も、会議中でもタバコを吸い放題にさせろなどと言っているのではありません。ひとけの少ない青空の下のキャンパスで吸うことの、何がそんなにいけないというのかと問いたいのです。世の中には排気ガスをまき散らす上、人を殺しもする自動車などというものが道を走っているのに。あまつさえ、東大では、タバコと同等かそれ以上に人に迷惑をかける酒を、自ら製造し、東大ブランドとして売り出しているのです。しかし、喫煙のみが許されざる悪とされ、私は問答無用に非常勤講師をクビになり、以来、どこの大学からも声がかからないので、私塾を開きつつ、著述を続けている状況です。

 この間も飲食店を探していたら、どこも禁煙だったので、空腹をこらえて帰ってきました。観劇を好んでいた私ですが、最近はどこも禁煙。このような極端なタバコ規制に対し、批判の声がメディアに載ることはほとんどありません。このような一方的な論調は、まさに“禁煙ファシズム”です。

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