報道の裏を読む
芸能記者覆面座談会「島田紳助久々登場」から「二股男騒動」まで、ここ1カ月に話題になった芸能ネタを、週刊誌記者(A)、スポーツ紙記者(B)、フリーライター(C)が振り返りつつ、その舞台裏を明かす座談会を開催。なぜ塩谷瞬は、あそこまでネタにされたのか──?。
「文春」のスクープインタビューにライバル誌は唖然。次は、文藝春秋から告白本を出版するのでは? と噂が立ったが…。
A 昨年8月の引退からの沈黙を破って、島田紳助が「週刊文春」(4月26日号/文藝春秋)で独占告白【1】 した。その中で「芸能界への未練はない」と語っていたが、その言葉を信じている業界関係者はいないよ。
B 「文春」のインタビューは、京都の実家を張っていた同誌記者が、たまたまそこにいた紳助をつかまえることができたので実現したもの。吉本興業は関知してないけど、紳助の奥さんは頻繁に大崎(洋・吉本興業)社長と連絡を取り合っていますからね。「文春」に記事が出ることは、吉本側も事前に了承済みだったよう。
C 紳助はインタビューで、「芸能界に未練はない」と言いながら、信頼できるスタッフから特番やBSの話が来たら、「一回だけは出ようかな」と語っている。それゆえ、かねてから噂のある『24時間テレビ』(日本テレビ)でのマラソンランナーとしての復帰があるのではないかという話も、まんざらではなくなった。紳助は、04年にマネージャー暴行事件で謹慎後、すぐに復帰の舞台をつくってくれた『行列のできる法律相談所』(同)が特にお気に入りで、日テレには思い入れがあるからね。
A しかし、引退会見では、暴力団とのツーショット写真や手紙の存在を否定して、「もしウソだったら切腹する」とまで言ったのに、その後、写真週刊誌に六代目山口組幹部とのツーショット写真が掲載されたり、大阪府警の捜査で暴力団との交遊を示す手紙や写真が出てきたという報道もあった。それについて、紳助は「記憶になかった」「大昔のこと」などと、開き直っている。こんな状態で番組に起用しようものなら、スポンサーが難色を示すよ。『24時間テレビ』なんて、特に“キレイ事”を大事にする番組なんだから。
B 紳助と連絡を取っていた先輩芸人から聞いた情報だけど、やはり紳助は芸能界に未練たっぷりの様子だったとか。奥さんがいまだに大崎社長と連絡を取り続けているのも、復帰のために吉本とはパイプを持っておきたいということなんだろう。
A その吉本だけど、「女性セブン」(4月26日号/小学館)が報じた「中堅芸人の母親による、生活保護不正受給疑惑」に対して、非常にナーバスな反応を見せていた。年収数千万円はある某芸人の母親が生活保護を受けているのは、親族の扶養義務という観点からいっておかしいのではないかという疑義を呈した記事だけど、吉本やこの芸人は、記事が人権侵害などに当たると強く抗議。結果、「セブン」の記事は実名を伏せて報じた。実名報道で追従しようとしたほかのメディアには、刑事告訴までちらつかせて翻意させたようだ。確かに、この母親は一般人なので、報道には慎重を期さないといけないのは事実だけど。
C ただ、これに食いついたのが、国会議員の片山さつき。自身のブログで「河本準一氏の『年収5千万円、母親生活保護不正受給疑惑』について、厚労省の担当課長に調査を依頼しました」と、河本の実名を出して追及を始めた。さすがの吉本も、片山の口には戸を立てられなかったということだろう。
B 河本や吉本も、本当に受給しているとしたら、なぜ河本が扶養できないのかという話をすればいいはず。釈明しない限り、今後問題は拡大していくだろうね。