サイゾーpremium  > 特集  > 【文壇端っこ対談】渡部直己×小谷野敦 日...

──一般的にタブーとされている事柄、たとえば大企業の裏側や天皇制に触れた気骨ある小説は多々ある。しかし現在の「文壇」において禁忌とされるのは、それらよりもむしろ、作品の批評にあるという。共に苛烈な批判を繰り広げることで文壇の嫌われ者となった文芸批評家2人が、文壇の今を憂う。

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(写真/江森康之)

渡部(以下、)いわゆる文壇タブーの一本筋っていうのは、基本的には"天皇"ですよ。

小谷野(以下、)劇作家の坂手洋二の演劇『だるまさんがころんだ』がNHK衛星放送で上演されたとき、冒頭に林あまりと鈴木裕美と坂手の鼎談があったんだけど、そこで一回も坂手の作品名については言及されなかった。なぜかというと、坂手の作品といえば読売演劇大賞を受賞した『天皇と接吻』【1】がある。これは、結構厳しい天皇制批判の内容だから。

 大江健三郎の『セヴンティーン第二部 政治少年死す』【2】は、深沢七郎『風流夢譚』(「中央公論」60年12月号に掲載)と並ぶ、戦後の天皇小説の代表作。

 昭和35年の、浅沼社会党委員長刺殺事件を下敷きにした作品で、右翼団体の抗議に遭ったために単行本は出ていないけど、(後に所収)鹿砦社の『スキャンダル大戦争2』に掲載されていました。

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