──批評家による禁断のアーティスト本、大宅賞作家が選んだ禁忌な一冊、さらには、ネット発のカリスマバンドメンバーから人気グラビアアイドルまで、今年の賢人たちが選んだヤバい本を一気にレビュー!
小島慶子(こじま・けいこ)
72年生まれ。ラジオパーソナリティー。95年TBS入社、99年第36回ギャラクシーDJパーソナリティー賞受賞。テレビでは『時事放談』などを担当した。10年7月よりフリー。TBSラジオ『小島慶子 キラ☆キラ』などで活躍中。
■家族だからこそ言えない秘密がある 人気女流作家による衝撃の暴露本
今年の7月にフリーになって以降、何げなく手に取ったのが柳美里さんのノンフィクション『ファミリー・シークレット』【11】。局アナ時代、柳さん原作の映画『命』の製作発表会でご一緒したこともあり、興味を引かれたんです。
この作品は、柳さんが中学生の頃から繰り返していた自殺未遂と家出、うつ病、実父から受けた虐待、自身の息子を愛していても、しつけと教育上、思わず手を上げてしまうという悩みなどを赤裸々に語っていますが、これは本当に勇気のあることだと思います。一読、重たく感じるテーマですが、同じようなつらい経験をされている方も沢山いらっしゃるはずですから。私が共感したのは、幼い頃から父親と確執がある彼女が、臨床心理士と3人でカウンセリングを行うくだりです。