「しゃべるな!」と言われたことを、あちこちでしゃべりまくり、命まで狙われたこともあるというタカス。周囲から怒られる度に「貝になる」と誓うのだが、その放言癖はいまだ健在だ。
近ごろバラエティ番組によく出ている清原和博氏。その仕掛け人は、もちろん私である。昨年、私が加勢し、清原氏を日本航空高(山梨県)や系列の日本航空石川高(石川県)の部活動指導者として招へいする件についてこのコラムで書いたが、その話はまだ交渉中である。
朝の情報番組について思っていることがある。過去5年間、いちばんチャラチャラしていたのは、小倉智昭の『とくダネ!』(フジテレビ系)だった。ところが、最近『とくダネ!』は報道番組に近いカタさがあり、かつわかりやすく伝えている。たまに鼻につくこともあるが、基本は着眼大局、着手小局、大道無門。小倉は特にスポーツの現場に足を運び、いつの間にかマラソンやサッカーの大家になった。勝者だけでなく敗者に対する目線も持っているところがいい。老いて病を持っても現場に向かう小倉の姿は、60を過ぎても日本全国を歩いて地図を作った伊能忠敬に重なる。
急性白血病で入院した『めざましテレビ』(同)の大塚範一の志も背負っている気がする。2人が仲がいいとは思えないが、ほぼ同年齢、他局から移ってきた外様という共通点がある。小倉64歳、最後のがんばりである。これは決して礼賛ではない。だが、小倉イズムは評価せざるを得ない。
テレビ朝日は、かつて『スーパーモーニング』で鳥越俊太郎や週刊朝日前編集長の山口一臣がコメンテーターとして出演していた頃は、ジャーナリスト愛があった。それが、羽鳥慎一の『モーニングバード!』に変わって、バラエティとジャーナリズムのはざまに置かれているような、落ち着きの悪さを感じるようになった。横にいる赤江珠緒はきょとんとし、長嶋一茂やジャーナリストの青木理らのコメントには無理がある。この番組、本当に報道系制作会社のテレビ朝日映像がかんでいるのだろうか。まったく芯が感じられない。