──医療支援ロボットの認可が遅れる日本。この状況を打破すべく戦い続ける医師を、医学ジャーナリストの松井宏夫氏に聞いた。
[推薦人]
松井宏夫(まつい・ひろお)
日本医学ジャーナリスト協会幹事、東邦大学医学部客員教授。「週刊サンケイ」記者を経て、フリージャーナリストに。81年から医療を専門とする。『たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学』(朝日放送)などの監修・出演も行う。名医本のパイオニアとしても有名。
現在、世界の医学界では、手術支援ロボットのアームを操作し、患部の切除や縫合をするロボット手術が大きな注目を集めています。
この手術方法の最大のメリットは、患者の体にやさしいこと。アームを体内に差し込むために1センチ程度の穴を4カ所ほど開けるだけなので、メスで大きく切開しないで済む。その結果、患者さんは、手術の翌日には動きまわれるほど回復します。この方法が普及すれば、あらゆるがんや心臓の手術が、2泊3日ほどの入院で済み、さらに、体力の面から外科手術を受けられなかった高齢者などにも、手術ができるようになるのです。