──SNS上で配信され他のユーザーと競い合い、基本は無料、追加アイテムなどを有料で購入してゲームを有利に展開できるのが特徴のソーシャルゲームと、家庭用ゲーム機&携帯ゲーム機、ソフト類を指すコンシューマゲーム。2011年は前者の躍進の年となった。牽引するDeNAやGREEは、今年も引き続き市場を拡大できるのか?
トップ企業
株式会社ディー・エヌ・エー
ケータイ向けSNS・Mobage(旧称:モバゲータウン)にて、ソーシャルゲームを配信する。2011年10月31日に発表された同年7~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比28%増の約347億円、営業利益が13%増の約154億円。11年は、看板社長だった南場智子氏が退任したり、横浜ベイスターズを買収するなど、業績以外でも激動の1年だった。グリー株式会社
DeNAと同じく、SNS・GREEにてソーシャルゲームを配信する。2011年11月2日に発表された同年7月~9月の連結決算は、売上高が過去最高の約304億円(前年同期比145%増)、営業利益が約166億円(同168%増)。社長の田中良和氏は楽天出身。11年初頭には米国子会社を設立、海外展開を進めている。
(絵/小笠原徹)
ファミコン誕生以来、エンタメ業界において確かな存在感を示してきたゲーム業界。国内市場規模では2007年をピークに下降傾向が続く状況下に、新ジャンルが現れて11年の市場を席巻した。横浜ベイスターズを買収したDeNAに代表される、ソーシャルゲームである。その躍進ぶりについて、ゲーム業界に詳しいジャーナリスト・橘寛基氏は「10年には1000億円市場となり、前年比4倍以上の伸びを見せました。11年は、2000億円以上に成長したという予想もあります」と語る。11年9月の東京ゲームショーでも、この成長を象徴する出来事があった。