「新・電波利権ver.2」(アゴラ研究所)。
ケータイのせいで、地デジがまともに見られなくなるかもしれない。総務省が進めるケータイへの新たな電波割り当て方針に対して、そんな疑問の声が出ている。
アンテナマークが立っているのに通話もメールもできないというのは、都心では珍しくなくなった光景だ。つながらない理由は、スマートフォンの急速な普及やケータイでの音楽や動画などの利用増加でデータのトラフィックが急増し、電波が足りなくなってきているため。そこで総務省は、地デジ化や第2世代ケータイ終了に伴い空いた、プラチナバンドと呼ばれる電波帯(700MHz帯/900MHz帯)をケータイ事業者に割り当てることを2009年に決定、具体的な割り当て方法の結論が11年12月に出て、まず12年に900MHz帯が、15年に700MHz帯が、それぞれケータイに割り当てられることとなった。
しかし、その700MHz帯について、大きな問題が起こる可能性があると指摘する専門家がいる。それが冒頭の、ケータイ電話と地上波デジタル放送との干渉問題だ。地デジの電波帯域と、ケータイに割り当てられる予定の700MHz帯とは非常に近い周波数帯のため、地デジテレビの近くで700MHz対応ケータイを使用すると、ケータイの電波がテレビにとってノイズとなってしまい、地デジの映像が大きく乱れる可能性があるのだ。