──小宮山悟を巴投げし、ハマの番長こと三浦大輔を運転手代わりに使い、東海大野球部横井人輝監督をして「僕の最高傑作」と言わしめた、元ベイスターズ投手の中野渡進。現在は東京国分寺で「もつ鍋わたり」を営む経営者の彼に、ドラフトと横浜ベイスターズの問題点を聞いた──。
(写真/田中まこと)
──今日はドラフトについて、ハマの裏番長こと中野渡さんに話を聞きに来ました!
中野渡進(以下、わたり) ん? ドラフト? 知らねーよ、あんなもん。どーせ、ごく一部のドラ1(ドラフト1位指名選手)以外は、コネ入社みてぇなもんだろ。
──え? そうなんですか?
わたり 球界なんて、完全な縦割りの社会だからな。球団が獲りたい選手のつながりを欲しいがために、スカウトを起用してんのも見え見えだろ。結局ドラフトも人間のやること。野菜の仕入れと同じだよ。店側に大量に買ってくれた実績があれば、「今日はこの野菜がいいよ」と情報も教えてくれる。結果を残しての、初めての信頼関係。それが世の中の仕組みってやつだよな。
──確かに抱き合わせ指名なども、買い付けと似ているような気もしますね。
わたり だけど、それですんなりいかねぇのがドラフトよ。豊作・不作の年によって、去年なら指名確実のヤツが今年は指名なしとか、例年ならドラ3ぐらいの選手が1位になっちまったりな。ホント、「ドラフトは運命の一日」とはよく言ったもんで、巡り合わせで大きく変わっちまう。運も実力のうちってやつだな。