──ここまで、ヤクザと演歌歌手たちの濃密な関係や、宴会でのマナー、その歴史について追ってきた。現在の若い衆世代にもそんなルールは通じているのだろうか?そこで、本編では某組織三次団体の親分を務めるA氏とそのご家族に、現在のヤクザと演歌の関係について、生の声を聞かせてもらった──。
『ヤクザ1000人に会いました! 』(宝島社)。
──今回は、「組長一家と演歌」をテーマに、お話を伺いたいと思います。ヤクザといえば、演歌歌手との親交が深いというイメージがありますが、やはりみなさん演歌好きなんでしょうか?
組長(以下、組) 北島三郎、鳥羽一郎、山本譲二、大川栄策、このへんのいわゆるド演歌はみんな共通して好きだね。
──組長が自分の曲をCDにしたりする、という話も耳にしますが、そうしたケースは、実際によくあるんですか?
組 あぁ、何年か前に、うちの親分も作ってたな、非売品だけど。「聴け、聴け」って喜んで配ってたけど、オレはその時一回聴いて、それ以来聴いてないね(笑)。
──思ったより、ぞんざいな扱いなんですね(笑)。宴会のカラオケでは、やはりみなさん演歌を歌われるんですか?