──新興宗教や、選挙の泡沫候補に造詣が深い大川興業・大川豊総裁が、企業経営者の人生を描いた"経営者マンガ"を密かに収集しているという。不景気な現代において、これら破天荒な創業者の立志伝は、もしかしたらウケるのかも? という希望を抱き、大川総裁のもとを訪ねた……。
『孫正義起業の若き獅子』(講談社)。
あなたは本田宗一郎や松下幸之助など、偉大な経営者を崇めた「経営者マンガ」を、読んだことがあるだろうか? 多くの経営者がこうしたマンガで取り上げられ、歴史上の偉人のように、その功績が伝えられている。今回、カルトなものを独自の解釈で楽しむことでお馴染みの、大川興業の大川豊総裁がこの手のマンガを収集していると耳にし、その魅力を聞いた。 「基本的には『プロジェクトX』みたいなもの。例えば、ソニーの創業者・盛田昭夫の人生をさいとう・たかをが描いた『「劇画」 Made in Japan』(朝日新聞社)やアンソロジーで鈴木商店の隆盛を描いた『栄光なき天才たち』【1】など、破天荒な創業者の立身出世を読んで、平凡な読者がカタルシスを得る内容になっている」と語る大川総裁。
確かにストーリーはすごく単純。どの作品を読んでも、だいたい主人公が裸一貫で事業に挑戦し、数々の課題にぶち当たりながらも、それらを乗り越えて成功を収めていく。
大川総裁も「主人公の性格を悪く描いた作品などはほとんどない。世間のタブーを破った創業者の営みという点では"タブー破り"のマンガといえますが、基本的には勧善懲悪的なヒーローものとして描かれている」と語る。