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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第51回

セレブな奥さまの本性があらわに......「白人女性たちが加担した人種差別の象徴たる女中」

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雪に隠れた岩山のように、正面からは見えてこない。でも、映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる。超大国の真の姿をお届け。

『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』

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1960年代前半のミシシッピ州ジャクソンを舞台としたコメディ映画。黒人のお手伝いさんと雇い主である白人に焦点を当て、公民権運動を背景にジャーナリストを目指す若い白人女性と黒人のお手伝いさん2人の視点から描かれる。

配給/ウォルト・ディズニー 監督/テイト・テイラー 出演/エマ・ストーン ほか 日本では2012年3月公開予定


「白人の赤ちゃんの面倒を見ること、それが私の仕事だよ。もちろん料理や掃除をしながらやるんだ。私は一生の間に17人の子どもを育てた。赤ん坊を寝かしつけて、泣きやませて、トイレのしつけをする。赤ん坊のママたちがベッドから起きてくる前にね」

 そう語るのは、アイビリーン。南部ミシシッピ州のジャクソンという町に住むアフリカ系の女性で、仕事はヘルプ(お手伝いさん)だ。

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