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連載
宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第20回

文化左翼は戦う敵を間違えていないか

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『リトル・ピープルの時代』

──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

 最近、いわゆる「危険厨」から嫌がらせを受けることが多い。先日は拙著『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)へのAmazonレビューで、ある人物(〈「文化人ロビイスト」なる自称プチ活動家〉とネット上のプロフィールにはある)から「宇野の影響で野田首相は原発再稼働を決定した」と書かれ、さらにツイッター上でもしつこく絡まれた。もちろん、僕は野田首相のブレーンでもなんでもなく(むしろなりたいくらいだが)、それはこの「プチ活動家」氏の捏造(妄想?)だ。

 彼の挙げる論拠は、僕が原発事故直後のニコニコ生放送で「安全厨/危険厨」を批判したこと。番組を見た人はわかるだろうが、これは当時ネット上で急増していた、陰謀論的な妄想に駆られて危い情報を垂れ流す人々への批判だ。「安全厨」を批判していることからも明らかなように、原発推進派に与しているわけでもなんでもない。

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