──東日本大震災により、東京電力のマスメディアとのズブズブの関係が明らかになった。これまでも多くの企業がメディアに金をバラまき、あるいは利権関係を共にして、いわばタブー化していたが、今メディアが叩けないタブー企業はどこなのか? 業界ごとに注視すべき企業を追った。
『談合文化論』(祥伝社)。
3月11日の大震災以降、企業タブーをめぐる構造が変わりつつある。ゼネコンの談合が、被災地で公然と復活しているというのだ。大手ゼネコンの動きを見てきた、証券アナリストが語る。
「近年、談合やカルテルなどの独占禁止法違反行為にかかわった企業が、公正取引委員会に申し出て調査に協力すると、課徴金を減免する制度が施行され、震災前まで談合はゼロに近い状態になっていたのですが……」
そんな中、宮城県では8月、津波被害に見舞われた石巻地区の850万トンに及ぶ瓦礫処理業務で、入札を実施。県が事前に提示した参考業務価格約2289億円より安い、約1924億円で、鹿島建設を中心とした共同企業体が落札している。