──ここまで、課金で儲けるエロ動画サイトを検証してきたが、前出の安田氏も指摘する通り、「DMM」の独占市場にプラスして、有象無象の無料サイトが存在する今、これからは「エロチャット」の時代かもしれない。以前から「三日三晩ウォッチするくらいハマっている!」と松沢呉一氏が指摘する「CAM4」について、その魅力を指南いただいた。
松沢呉一氏の著書『クズが世界を豊かにする─YouTubeから見るインターネット論』(ポット出版)。
「CAM4を観ても抜けない」って主張する男がいるけど、一度観始めると3日間は観続けてしまうくらい魅了されている俺から言わせてもらえば、「何を勘違いしてんだ」って話。「無修正でモロ見えの無料ライブチャットサイト」とうたわれてはいるけど、「CAM4」の神髄はエロチシズムではなく、"世界各国の人々とリアルタイムでコミュニケーションが図れる"ところにあるんだから!「CAM4」は少しずついろんなシステムを搭載しながら着実に進化していて、常時3万人くらいが閲覧しているサイト。これだけの巨大規模で展開していながら、運営元は「アメリカにある」ということしか明らかにされていないんだが、個人的には、なんとなくIT業界の人が作ったんじゃないかって気がするんだよね。アダルト業界の人がアダルトサイトを作ると、自分の趣味に走ったり、視野が狭くなってしまいがち。でも「CAM4」の場合は、初めからゲイやシーメール(=ニューハーフ)といったセクシャルマイノリティも対象にしている。アメリカだからかもしれないけど、幅広いセクシャリティをカバーしようとする感覚は、アダルト業界を俯瞰して見られる人でないと持ち得ないと思う。