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荻上チキの新世代リノベーション作戦会議 第15回

政府や県が市町村復興の足を引っぱる!? 肥大化した政府が生んだ地域医療への障害【後編】

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実情を無視した不合理な医療体制をいかに変えるか

荻上 政府や県は、実態に合わない一律のやり方を押しつけることによって、産業や医療の現状をズタボロにしている。しかし、そもそも震災や原発事故以前からも、医療やさまざまな社会保障制度は、自治体各々の裁量に任せ、柔軟性を発揮させるべきだと言われ続けていました。そういう意味で、直接的な震災や原発事故への対策というより、震災以前からあった制度的な問題が、今回の機会であらためて表面化したケースもあるのではないかと思います。例えば医師不足もまた、かねてより問題視されてきたわけですから、容易に「替え」が利かない状況を野放しにしたツケであるとも言える。

 福島県の医療に関しては、とにかく医師の確保がボトルネックなんです。医師の供給機関が、福島県立医科大学、つまり県頼みなので、そこに抗えない構造がある。相馬市の立谷秀清市長みたいな強力な首長なら外からかき集める手もありますが、基本的に供給が過少なので、県側が圧倒的なパワーを持っている。

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