──2003年のイラク戦争反対デモなど、これまで多くの参加してきた現役活動家・張本勲氏。今回のようなデモビギナーが多く参加するデモについて聞いてみると、言葉を慎重に選びつつ、その「覚悟」を語ってくれた──。
『ある日突然、警察に呼び出されたら、どうする・どうなる』
今回の反原発デモに対して、これまで政治運動を行ってきた活動家たちはどのように感じているのだろうか?
「現在の状況は、政治に対する関心の盛り上がりというよりも、原発に対する『恐怖』の部分が大きい。その意味では、誰が行ってもよさそうなデモに参加するのは自然な流れでしょう」
そう語るのは2003年のイラク戦争当時より政治運動にかかわり、最近では「5・7救援会」の一員として、政治活動被疑者の救援活動を行った張本勲(仮名)氏。時として、"お祭り騒ぎ"や"解放感"という言葉で語られる今回の大規模デモだが、その戦術について、彼は客観的に分析する。
「私は一参加者ですが、参加者が解放感を感じられることは、大切だと思います。せっかく時間を作ってきているのだから、思う存分意思表示できなきゃ意味がない。みんな命令なんかされたくないし、どうせやるなら楽しいほうがいい。よほど趣旨に反さない限り、課題に見合ったかたちで創意を凝らしてやればいいと思いますよ。シュプレヒコールを上げる人もいれば、サウンドカーに張りついて踊る人もいる。共感を得られるかどうかは、主張の内容次第であって作風の問題じゃない」