『放射線被ばく─CT検査でがんになる』
前述の通り、多数出版されているがん本の中で、今最も注目を集めているのが、慶應義塾大学医学部放射線科講師・近藤誠氏の最近著『抗がん剤は効かない』だ。氏が貫いてきたこの「抗がん剤治療は意味がない」という主張は、いまだ医療業界においてタブー視されている。そこで、氏から見たがん治療の闇と、"読んではいけない本"を教えていただいた。
──先生が世に問い始めた頃と比べ、医療業界の意識は変わりましたか?
近藤 誠(以下、近) 口ではあまり認めないけど、抗がん剤が効かないと気づいた人や医者は増えたね。そもそも最初の頃は、患者は抗がん剤であることを知らずに処方されていた。薬の解説書の定番『医者からもらった薬がわかる本』【1】にも、抗がん剤自体が載っていなかったからね。そんな時に『抗がん剤の副作用がわかる本』【2】を出したら、すごい反響があった。今では、一般の人の認識もだいぶ変わったと思うよ。
──それでも使うのは何故ですか?