(写真/磯部昭子 A/M)
今年は、日本のマスメディア界が大きな転機を迎える年になるでしょう。まず、3月に日本テレビ会長の氏家齊一郎さんが亡くなった。お別れ会で読売新聞グループ会長・渡邉恒雄さんが挨拶したのですが、彼は「体の力がすべて抜けるような……」と述べました。2人は読売新聞に同期入社して以来の盟友で、読売と日本テレビという大メディアをタッグで支配してきたから、これはなかなかシンボリックな出来事。そしてその直後、日本新聞協会会長であり、読売新聞グループ社長の内山斉さんが退社された。それから、震災節電によるプロ野球の開幕試合問題がありました。渡邊さんたちが考えた開幕スケジュールでは動かなかったわけです。そうしたことを考えると、中曽根政権以降、日本のメディアのドンとして君臨してきた渡邊・氏家体制が今、転換期を迎えているといえる。