サイゾーpremium  > 特集  > 科学技術史の専門家に聞くエネルギー消費の...

――科学技術史が専門の、中島秀人・東工大教授に、今後あるべきエネルギー環境について話を聞いた。

1106_onshitsu.jpg
赤外線のほとんどをブロックし、断熱能力も非常に高いという「スーパーウインドウ」によって作られた温室の内部。(写真/中島氏提供)

 東日本大震災の影響による電力不足を受けて、企業・家庭への節電が呼びかけられていますが、確かにある研究では、かなり努力すれば全体で15%ぐらいの節電は可能、という結果が出ています。しかし、15%というラインを超える節電をしようとすると、途端に達成が難しくなってしまう。現在のエネルギー消費の構造では、そのあたりが限界だということです。

 つまるところ大切なのは、現在の莫大なエネルギー消費の構造を維持しつつ、その枠内でエコや節電を心がけてやりくりすることではなく、エネルギー消費のメカニズム自体を根本的に変えることなんです。というのも、建築物の構造やエネルギーシステムなどを現在の技術力で整備し直せば、無理にエコなど意識しなくても、そもそもさほどエネルギーを必要としない社会を実現できてしまうからです。

 その一例が住宅です。「エネルギー白書2010」によると、日本の家庭内で消費される全エネルギーの半分以上を占めているのは、実は暖房(24.3%)と給湯(29.5%)で、夏場の電力不足の要因としてやり玉に挙げられる冷房はわずか2.1%にすぎません。ということはつまり、暖房と給湯に使う分を抑えれば、住宅に関するエネルギーは今ほど必要なくなるということです。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年5月号

新・ニッポンの論点

新・ニッポンの論点

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】名取くるみ
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Lee Seou】八面玲瓏として輝く物言う花
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【雪村花鈴&山田かな】CYZOデジタル写真集シリーズ
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ