――全国津々浦々に存在するのが、いわゆる"地方空港"。だが、そのほとんどは赤字運営だ。そうした空港はムダと見なして、さっさと切り捨てるべきなのか?
「立ち木」問題をはじめ、ずさんな建設計画が話題となった末、2009年に開港した静岡空港。地元物流会社が100%出資する航空会社フジドリームエアラインズは、この空港を拠点とする。(c) Messi Xiong
日本には現在、98の空港がある。株式会社が管理する成田や関空や中部を除き、国が管理・運営する国管理空港と地方自治体が管理・運営する地方管理空港に大別できるが、それらのほとんどが赤字であること、また空港数が過剰であることは、これまでメディアでも報じられてきた。先にも登場した上村敏之氏はこう話す。
「地方空港のほとんどが赤字になったのは、空港整備特別会計(成田と羽田、生き残るのはどっちだ?【3】参照。以下、空整特会)が大きく関係しています。分散投資の空港政策を行い、その結果、至る所に地方空港が建設された。しかも、採算度外視だったので、赤字になるのは当たり前です」
1956年、国内の政治経済活動を能率化すべく諸都市を結びつけようと、空港整備法が制定された。それ以降、いったん資金を国に集めて各地の空港に配分する空整特会というシステムが、全国の空港建設のカネを提供したのだ。また同じく前ページに登場した森功氏はこう述べる。