――4月29日、韓国で話題となった映画『生き残るための3つの取引』が公開される。警察の犯人捏造や検察と裏社会の接待関係など、国家組織の汚職問題を描いた作品だ。実は韓国では、同作が公開される直前の2010年9月28日、検察を舞台とした大規模な接待汚職事件、いわゆる「検事とスポンサー」事件に対する特別検察チームの捜査が同国民の失望の中で終結していた。
映画『生き残るための3つの取引』より。
「1984年から25年間にわたって多数の検事に対する接待を続け、定期的に金品も渡した。高級クラブでの供応は数百回に及び、性接待(買春あっせん)をしてやった検事だけでも軽く100人を超える──」
事件は10年4月、こんな衝撃的な証言で幕を開けた。MBCテレビのドキュメンタリー番組に登場し、「検事買収」の手口を赤裸々に明かした元建設業者A氏は、「(接待した検事らに頼めば)事件のほとんどをもみ消すことができた」とも話した。
接待を受けていた検事は、A氏がメモに残していただけでも57人。中には現職の最高検監察部長や釜山地検トップも含まれていた。