――何度失敗談が出回ろうとも、その勢いが衰えることのない美容ビジネス。コラーゲンドリンクに始まる美容食品市場は順調に拡大し続け、包茎手術に始まったコンプレックス改善医療は相変わらずブームを生み続けている。なぜ人はそこまで外見に執着するのか。改めてその魔力を検証したい──。
ヒアルロン酸は飲んだり塗ったりしただけじゃダメだよね、ともちん!
女性に向けて、外見の美しさをサポートすることをうたった食品──いわゆる「美容食品」の売れ行きが好調だ。2011年2月に富士経済が発表した"健康・美容食品の市場規模"に関する調査結果によると、10年の同市場規模は1兆7807億円で、6年ぶりのプラス成長に転じると見込まれている。それを大きく牽引したのが"美肌効果"を訴求した食品で、中でもコラーゲンやヒアルロン酸などを配合したドリンク類は、前年比12・7%の大幅な増加が見込まれるという。
確かにコンビニやドラッグストアに行くと、栄養ドリンクやゼリー飲料に混じり、そうした美容ドリンクも当たり前に見かけるようになった。価格帯は1本200~400円前後で、栄養ドリンクとさほど変わらないものの、「それを購入する女性の心理がよくわからない」という男性読者も多いだろう。そのカラクリについて、数々の美容商品の開発に携わっているコスメティックプランナーの恩田雅世氏は、次のように語る。