──海外文学は何も古典だけではない。まだ著作権の残っている新しい作品の翻訳作品を日本で出版するには、どのような流れが必要となるのだろうか?
多くの日本人が親しんだ翻訳作品の代表
格といえば、やはりハリポタ?『ハリー・ポッ
ターと賢者の石』(J.K.ローリング/著、松
岡佑子/訳、静山社、99年)
これまで取り上げてきた古典作品と異なり、まだ著作権のある海外文学作品を日本で翻訳出版する場合には、どのような過程を経るのだろうか?
この場合出版社は、情報入手や翻訳権取得などの実務を、国内の翻訳エージェントに依頼するのが一般的だ。タトル・モリエイジェンシーや日本ユニエージェンシーなどの国内翻訳エージェントは、海外の出版社または出版エージェントと契約しており、日本の出版社への原著紹介や、翻訳権の料金交渉と契約手続き、原著者との仲介などを行う。