【1】崩壊した胡同内の建物。この中で、人
が普通に生活している。【2】胡同を覆い隠
す壁。【3】急ピッチで作業する土木作業員
のオジサン。【4】白塔寺近くにある胡同の中
のニーハオトイレ。五輪に向けて便器を新
しくしたようで、かなり上等。【5】「鳥の巣」に
続く道に、せっせと花を植える人々。【6】「鳥
の巣」周辺の歩道には謎の穴がいくつかあ
り、ゴミが落ちている。
(写真/アンドン・チーメイ)
環境に配慮した"緑の五輪"を掲げているはずなのに、開催前から環境汚染や食の安全性が問題視されている北京五輪。最近では、セーリング会場で汚染のたまものである藻が異常発生するなど、不安は増すばかりだ。しかし、以前から大気汚染による選手への健康被害が心配されているマラソンだって、中国政府が"安全宣言"していたし、もう不安材料は政府が全部解消してくれたに違いない! というわけで、本誌女性ライター(26歳/好きなタイプはエディソン・チャン)が、2008年7月1日、期待に胸を膨らませて、北京五輪マラソンコースを散策してみたところ......。
【天安門(スタート) ~前門大街付近】
順路は、まずスタート地点の天安門広場から南下して、世界遺産・天壇公園や前門大街を通り、いったん天安門に戻る。このエリアで最も注目したいのは前門大街。五輪に向けて、レトロな街並みが復元されるはずなのだが、まだ工事が完了していない。しかも、前門大街の左右にある胡同(北京市内に点在する旧城内の細い路地)は、なぜか目も当てられぬ崩壊ぶり......(写真【1】)。その無残な様子を隠すかのように、おニューの壁で不自然に囲われている様子(写真【2】)は、テレビ中継でも確認できるかも。またこの辺はホテルの建設ラッシュで、砂埃がハンパない。3時間歩いただけで、尋常じゃない黒さの鼻クソと目ヤニが! 北京在住の友人も、「北京で暮らすようになってから、驚異的な速さで鼻毛が伸びるようになった」と話す。有害物質を含むといわれている粉塵が車にも多く付着してるし、こんな調子で無事ゴールにたどり着けるのか、心配......。