──老舗文学賞でもなかなか売り上げにつながらない今、文学賞の勢力図はどうなっているのか? 特に影響力がありそうな文学賞の昨年の売り上げと、賞の創設年数をもとにして、独断でマッピング。どの文学賞が市場にとって影響力があるかを見てみた。
昨年、ポプラ社小説大賞が、受賞作『KAGEROU』のおかげで一躍話題となった。しかしこれは異例の事態であり、今回の一件で同賞の存在を知った人も多いだろう。
書評家・豊崎由美氏(当特集【5】にインタビュー掲載)によれば、「中堅以上の作家に与える賞としては、エンタメ系は吉川英治文学賞、純文学では野間文芸賞などが(小説の質を)信頼できる。老舗の新人賞では、一昨年、朝井リョウを輩出した小説すばる新人賞にもハズレが少ないですね」とのことだが、右記の図を見ると業界の信頼度がそのまま売り上げに反映されるというわけでもないようだ。