2000年代初頭、小泉純一郎政権では竹中平蔵と共に、与党金融政策のブレーンとして辣腕を振るった高橋洋一氏。08年、霞が関に眠る"埋蔵金"を指摘し、話題となった。そんな彼に、与党の金融政策からみる、伸びる企業や産業を聞いてみたが……。
高橋洋一氏。(写真/伊丹剛)
──今回は、小泉内閣における経済政策のブレーンとして辣腕を振るった高橋先生に、経済政策によって「2011年に伸びる企業と沈む企業」についてご教授いただきたく、お伺いしました。
高橋洋一(以下、高) のっけから申し訳ないけどさ、政策なんか見てどこが伸びるとか、そんなこと考えてちゃダメだよ。まずマクロな経済政策はミクロのこと、つまりビジネスには介入してはいけない。例えば法人税減税は、赤字で法人税を払っていないところ以外は等しく恩恵があるってことでしょ。だから産業とか企業間の競争には影響がない。あと「この産業は伸びる」って言って、その産業を振興するのを産業政策っていうんだけど、そういうのを役所が、主に経産省なんかがやるよね。でも実は、どの産業が伸びるかなんてわからないんだよ。産業政策って、旧通産省が高度成長期からずっとやってたんだけど、ボクに限らず、まともな経済学者なら成功した試しはないと言う。逆に、当たっていないんだから、役所が目をつける産業はやめたほうがいいっていうのはあるよね(笑)。
──とすると、政府が力を入れると掲げているような業種はいかがでしょうか? 今後でいうと、予算が増える社会保障の中でも介護などでしょうか?