(写真/江森康之)
AV界の謎の巨人"ヨヨチュウ"こと代々木忠監督。極道の世界から映画業界へ転身、プロデュースした日活ロマンポルノ『女高生芸者』はわいせつ表現とされて裁判となり、係争は9年間に及んだ。愛染恭子主演のビデオ『本番生撮り 淫欲のうずき』はVHS対ベータの規格戦争で、VHS勝利に大きく寄与。80年代に『ザ・オナニー』で一世を風靡し、90年代には『チャネリングFUCK』『多重人格そして性』など、性と精神世界を組み合わせた問題作を次々と発表。ヨヨチュウ伝説はあまりに多すぎ、その全貌を知ることは至難だった。ドキュメンタリー映画『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』はこれまで500本以上の監督作で女性たちを身も心も裸にしてきたヨヨチュウを、逆に丸裸にしようという野心作。AV界の巨人のスペルマ以上に濃厚な"言霊"を味わってほしい。
「ボクはこれまで売れそうなものを狙って作ったことは少ないんだけど、やっぱり売ろうと狙って作ったときは必ず失敗している。それは自分の頭の中で作ってしまって、それ以上のものが現場から出てこないから。コンセプトやマニュアルに従って撮ることは、レールを敷いた上で撮るということ。意識外で起きた真実を全部撮り逃がしてしまう。悩みや問題を抱えた女性を、ボクが催眠や呼吸法で治した上でオーガズムを体験させる。オーガズムを体験した直後の女性が発するひと言は、それは凄いよ」