──一般人からすると、イマイチかたくなで取っ付きにくい印象の共産党。ソフト化路線が功を奏しつつも、相変わらず「内側の見えにくい政党」は、どうすれば大衆の支持を得られるのか?
1928年に「赤旗」として創刊された「しんぶ
ん赤旗」。スクープも多い。
広報活動と党内固め──。結論から言えば、この2つのバランスをいかに取り、両立させていくかが、共産党にとって政権奪取の明暗を分ける重要なポイントとなる。その理由について、共産党の現状に関する2つの具体例を挙げて解説しよう。
まず、第1の例が「赤旗」だ。先にも触れたが、「赤旗」の購読者数は2006年時点で約160万人で、ピーク時(80年)の半数以下と低迷している(グラフ参照)。とはいえ、最大の読者を抱える政党機関紙であることに変わりはなく、党員・支持者以外にも一定数の読者を獲得し、党の主要な収入源となっている。大企業の広告を掲載しないことから、有力企業・団体や政治家のスキャンダルといった分野において、時に一般紙をも凌ぐ取材力を発揮し、しばしばスクープを飛ばすことで知られる(下コラム参照)。
政党機関紙である以上、「赤旗」は、本来、党員・支持者向けの色彩が濃い。しかし、それと同時に、対外アピール用の重要なツールでもあり、特に60~70年代には、「400万読者の実現」をスローガンに、党勢拡大のために盛んに利用された。旧来の党員をつなぎ留める役割と、新規党員を獲得する役割とを兼ねているわけだ。