──"格差社会化"が叫ばれ、プロレタリア文学の古典『蟹工船』がブームになる中、「ぶれない政党」日本共産党に注目が集まっている。そこで、共産党がホントに政権を取るためにはどうすればいいのか、マジメに分析。さらには、共産党トップ・志位和夫衆議院議員にも直撃!!!
(本記事は2008年10月号掲載のものを再構成したものです。)
共産党委員長の志位和夫氏。
(写真/有高唯之)
日本共産党(以下、共産党)が突如巻き起こったブームに沸いている。きっかけは、2008年2月に行われた衆議院予算委員会。共産党の志位和夫委員長が、派遣労働者の窮状について、福田康夫首相らを相手に舌鋒鋭く問いただしたことに端を発する。この際の動画が、動画投稿サイト「ニコニコ動画」などにアップされるや、国会質問としては異例の大反響を呼び、各メディアがこぞってそれを取り上げたのだ(当特集【4】志位委員長のインタビュー参照)。続いて、小林多喜二のプロレタリア小説『蟹工船』やマルクス関連書籍が若者を中心にブームとなり、それに呼応して、共産党と志位委員長のメディア露出が急増。党員増加といった地味なニュースでさえ、各メディアで大きく報じられうようになった。
思えば共産党は、民主党の結成(1998年)以降、二大政党制の波にのまれ、冬の時代を過ごしてきた。最近2回の選挙では、05年衆院選で9議席、07年7月の参院選ではわずか3議席(非改選4議席)と惨敗。また、党員数も、87年の48万4000人をピークに減少し、ここ10年は35~40万人前後にとどまっているだけでなく、党員の高齢化も深刻だ。機関誌「しんぶん赤旗」(日曜版含む。以下、「赤旗」)の購買者数に至っては、ピーク時の355万人(80年)から、半数以下の164万人(06年)にまで激減した。07年までは、ブームどころか、衰退の一途をたどるのは必定と見えたものだ。