『「女装と男装」の文化史』 。
古くは美輪明宏やカルーセル麻紀に始まり、IKKO、はるな愛、そしてマツコ・デラックスにミッツ・マングローブと、女性の装いをするおネエタレントは数多く出現した。しかし、"女装"にはいくつかの違いがあり、そこにはアイデンティティの大きな問題が潜んでいる。
まず、マツコやミッツが自らを称する"女装"と、はるな愛らに代表するニューハーフはまったくの別物だ。女装はあくまで"男性"であることが前提条件であり、パッと見で"男が女の装いをしている"とわからなければならない。これが、マツコやミッツ、IKKOらのそれである。対してニューハーフは、女性にできるだけ近づきたいという思いから、一見男とはわからないような、"女性になりたい"願望を体現している様子を指しており、カルーセル麻紀【編註:04年に戸籍を女性に変更】やはるな愛、椿姫彩菜らがこのタイプだ。