──ここまでは、「電子書籍元年」といわれた2010年の動向を見てきたが、今後、各社から端末のリリースラッシュが予測されている。そこで各デバイスの"規格"について、ボイジャーに話を聞いた。
ボイジャーも取り上げられている『電子書籍制作ガイドブック』。
今後デバイスのリリースラッシュが予測される中、問題視されているのが、電子書籍の規格についてだろう。例えば、『App store』で買い物をすると、iPad、iPhone以外の端末で見ることができない。
これまで、記録メディアには、ベータがVHSに、HD-DVDがブルーレイディスクに淘汰された歴史がある。電子書籍の規格も、大が小を食うといった統一がなされる可能性もなくはないが、今現在、アップルの「iBooks」やソニーの採用する「ePUB」のほかに、アマゾンによる『キンドル』に対応した「AZW」、シャープが発売する『ガラパゴス』の「XMDF」などが存在している。
だが、デバイスを変えたとき、中身が入れ替えられないのは大変不便だ。今後、ワンアカウントで購入した電子書籍をマルチデバイスで閲覧することはできないのだろうか? 電子書籍フォーマット、ドットブック(.book)の開発元ボイジャーでは、これに取り組んでいるという。同社取締役・鎌田純子氏はこう語る。