伊藤章良氏が著したレストランガイド『東京百年レストラン』。
ブログやツイッターなどの台頭により、今やプロ・アマ問わず、誰でも簡単に批評ができるようになった。しかし、その代表格ともいえるグルメ界において、プロのライター&評論家の失速はあまりに著しくて……。本当に、もうブロガーだけでも大丈夫?
「今日はどこで食事をしようか」、そう思ったら、まずは「『食べログ』を見る」という人が増えている気がする。ネットの検索性とデータベース性の高さから、グルメ本を手に取ることは極端に減ったであろう昨今、当然ながら"グルメ評論家"と呼ばれていた彼らの名前を見る機会も激減した。素材の産地や調理のテクニックなどを除いては、味覚や嗅覚、つまり個人の感覚から得る情報で語られることの多いグルメ批評は、ネットの台頭により一気に敷居が下がってしまったのだ。果たしてこの現状を"プロ"はどうとらえているのか。自らもグルメガイド本を発行したばかりの、イベントプロデューサー兼グルメ評論家、伊藤章良氏に話を聞いた。
──そもそも、グルメ界における"批評"とは、どのように確立されてきたものなのでしょうか?