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宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第8回

『日本の、これから どうする?"無縁社会"』

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 先日、NHKの討論番組『日本の、これから』に出演してきた。テーマは「無縁社会」だ(10月30日放映)。高度成長期の農村から都市への人口移動によって、家族でも国家でもない中間共同体の機能もまた、ムラ社会的な地域コミュニティから日本的経営に基づいた企業社会へと移動した。しかし企業社会はその性質上、リタイアと同時にメンバーを共同体から排除してしまう。それに加えてバブル崩壊から20年で、いわゆる日本的経営は多くの企業において事実上放棄され、若年層に多い非正規雇用者の大半は、そもそも企業社会というコミュニティに接続すらできなくなった。かくして、地縁、家族縁、会社縁のどれもが希薄な「無縁社会」日本が完成し、独居老人の孤独死などを生んだというストーリーになっている。
 
 僕の役目は、このできあがったストーリーに冷や水をかけることだったのだが、台風情報などで放映時間が短縮されたこともあり、用意していたことの半分くらいしかしゃべれなかった。

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