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萱野稔人の"超"現代哲学講座 第5回

レアアース輸出規制は中国外交の失敗! 資源を政治的武器にすることの是非

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第5回テーマ
「レアアース禁輸措置の逆説」

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[今月の副読本]
『超マクロ展望 世界経済の真実』

水野和夫、萱野稔人/集英社新書(10年)/756円
400年に1度という、いわば、資本主義そのものの大転換期──。現在の世界経済危機とは、単なる景気循環や消費の問題だけではないと説く、異色の経済学者と当連載筆者による、経済の本質を見据える対論。


 中国によるレアアースの事実上の禁輸措置が、日本に大きな衝撃を与えています。今回は、このレアアース禁輸措置から見えてくる、世界経済の動きについて考えたいと思います。レアアースという鉱物資源も、決して哲学的考察と無関係ではありません。
 
 レアアース(希土類)とは液晶テレビやハイブリッド車などの製造に欠かせないレアメタルの一種で、日本はその9割を中国からの輸入に頼っています。いわばそれは日本のハイテク産業を支えている生命線なんですね。その希少資源を中国が禁輸したわけですから、事態は深刻です。きっかけは尖閣諸島問題でした。

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