──お気に入りのBLマンガを発掘しに行く前に、ぜひとも学んでほしいのが「ゲイマンガ」との見分け方。一体、どこが違うのだろうか?
田亀源五郎先生の『外道の家(上巻)』。
以前は、「男性が筋肉質に描かれているのがゲイマンガ」など、なんとなく見分けがついたものだが、最近では「筋肉系」などゲイマンガに近いハードなBLを好む腐女子の増加に伴い、グレーゾーンの作品が増えてきている。そこで、BL誌での掲載も多いゲイマンガの巨匠・田亀源五郎氏に、描き手の立場から見る両者の違いを聞いてみた。
「まずBLは、"恋愛主体"という気がします。昔の少女マンガで描かれていたような男女の恋愛の構図が、そのまま男性同士の間に置き換えられているだけで、作り手がやろうとしていることは女性のロマンス願望を充足させることに変わりないのかなと。もちろん、私の作品にも心理描写などで少女マンガの影響は多々見られますが、恋愛の要素はあくまで、"オマケ"。私の得意技であるポルノグラフィを描く上で、話に深みを持たせるためのオマケであって、基本的に恋愛はなくても作品は描けてしまいます」
また、田亀氏は前述のグレーゾーンに分類されるアンソロジーへの作品掲載依頼を受けた際、あることを意識して物語を構築したという。