──【4】までのレポートを踏まえ、若者のネット利用の実態に詳しい識者にインタビュー。豊富な実証データをもとに今の10代を分析してみる!!
藤川大祐氏の『ケータイ世界の子どもたち』。
【話をお聞きした識者】
若者のメディアリテラシー問題に詳しい
藤川大祐(千葉大学教育学部教授)
──初めに、今の10代のケータイの利用状況について教えてください。
藤川大祐(以下、藤) 各種調査によると、高校生の約7割がケータイをまったく問題なく使いこなしていて、興味本位でさまざまなサイトを閲覧・利用することはあっても、危ない一線は決して越えません。その一方で、残りの約3割はメールのやりとりなどに追われて就寝が深夜1時以降になるなど、使い方にやや問題ありという結果が出ています。
ケータイの使い方は、同じ高校生でも個人差や学校間の差が大きく、偏差値との関連性もうかがわれます。要するに、上の世代と同様、情報強者と弱者という二極化の構図になっているわけです。
──ケータイやネットの普及で、今の10代の性行動に何か変化は見られますか?