──戦国武将同士が戦うアクションゲームでありながら「歴女ブームの火付け役」となり、多くの女性に支持されている『戦国BASARA』シリーズ。男性向け作品がここまで女性ファンの獲得に成功した理由とはなんなのか? プロデューサー・小林裕幸氏に聞いた。
(上)徳川家康の戦闘シーン。(下)CGにも力を入れ、美しさを追求している。 (C) CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.
BASARAシリーズは、スピンオフ的な作品を交えながら毎年新作を出しており、今年7月に発売した『戦国BASARA3』で6作目になります。ユーザーの男女比については、1作目の『戦国BASARA』(05年)では8:2でした。そもそもゲームユーザーは圧倒的に男性のほうが多いので、女性ユーザーは2割もいれば「多い」と評されるんですよ。それが翌年の『戦国BASARA2』では、購買者の母数が増えた上、男女比も7:3になり、さらに翌々年の『戦国BASARA2英雄外伝(HEROES)』では6:4にまで膨れ上がった。『戦国BASARA3』は未調査ですが、肌感覚的に6:4のままではないかと。
「歴女ブームの火付け役」ともいわれていることから、「BASARAは女性ユーザーのほうが多い」と誤解されたり、メディアで取り上げられる際に「乙女ゲーム」と称されることも少なくないのですが、決してそうではありません。確かにイベントなどに来場するのは9割9分女性ですけど(笑)、女性だけの購入層では、1作で何十万本も売り上げることは不可能。うまくいっても10万本が関の山でしょう。乙女ゲームはヒット作といわれるものでも、売り上げが10万本台に届くことは滅多にない。したがって、「女性の層が厚い普通のゲーム」というのが、正しい解釈だと思います。