お笑い芸人、タレントとしての自らの活動の傍ら、渡辺正行は1986年よりウッチャンナンチャン、爆笑問題など数々の芸人を輩出した「ラ・ママ新人コント大会」を開催し、若手芸人の育成に努めてきた。長年第一線で活躍し、新しい笑いをはぐくみ続けてきた者だからこそ知る、若手芸人、芸人志望者の、芸風・スタンス・意識の変遷とは──。
左は若手芸人・ランチランチ。4月の第250回ラ・ママ
新人コント大会にて。
──ここ数年続いているお笑いブームの下、お笑い芸人志望者が今とても増えているといわれています。そういった若者たちを送り出してきた渡辺さんから見て、今は彼らにとって恵まれた時代だと思いますか?
渡辺正行(以下、渡) 芸人にはなりやすくなったと思いますが、厳しい時代だと思いますよ。僕らの時代はトップにツービートとか紳助・竜介がいて、2番手に僕らみたいなのがいて、テレビにもたまに出られるみたいな感じだったでしょ。僕らより下はいないに等しいから、チャンスがあった。今は看板番組を持っているトップが20〜30組、その下に"レギュラーはないけどテレビには出られる"くらいのレベルが50組ぐらい。さらに、その下には数え切れないほどの芸人がいる。僕も、デビューが今じゃなくてよかったって思いますよ。
──渡辺さんのライフワークにもなっている、『ラ・ママ新人コント大会』スタートのきっかけを教えてください。