実効的な政治システムを作っていくために
菅原琢氏の著書『世論の曲解』
荻上 分析のための言葉を再提案することで、政治観察過程におけるエラーを縮減したい、ということですね。しかし今の日本の政治制度では、しばらく「スローガン競争」は終わりそうにありません。
菅原 そもそも政治家というものが、とにかく選挙のために生きている点に大きな問題があるわけです。個々人の資質の話ではなくて、「〇時〇分の新幹線で地元に帰って盆踊りを踊って」みたいな生活を毎日続けていれば、誰だってまともな政治判断をするためのスキルや知識の獲得に時間がかかるし、結局政策がわからない「選挙の専門家」のまま政治家人生を終えてしまうかもしれません。
荻上 票取りの名人が民意の代弁の名人であるとは限らず、政治過程や政策提言のプロフェッショナルになる時間は限られてしまっていますね。菅原さんの本来のご専門である選挙制度論を踏まえると、現状をどのように「改革」すべきと思われますか。