──違法アップロードされたアニメやドラマはもちろん、アダルト動画に、ちょっと気のきいたカルト映画まで、なんでもネットで見れてしまう今でも、DVDというパッケージで観るべき作品はまだまだある。ミュージシャン・Kダブシャイン、作家・海猫沢めろん、AV監督・二村ヒトシら、各界の通人たちが、2010年の今こそ観るべき「ヤバい」DVDを選出する!
(写真/江森康之)【選者】Kダブシャイン[ミュージシャン]
僕は、ジャンルにかかわらず邦画って全然観ないんですよ。だから今回はわかりやすく、アカデミー賞っぽいハリウッド系のバイオレンス映画を3本選んでみました。
まず、リアリティのある描写を追求していた『ランボー/最後の戦場』【1】はヤバかったね。根底にあるのは暴力の否定なんだけど、でも否定しても何も変わらない現実が実際にあって、結果として否定も肯定もしきっていないという表現なのかな。だからあえて戦いを生々しく映して強調してたんだろうね。この作品に関しては市民運動家に対するスタンスも面白くて、彼らは良いことをしたいという幻想に酔いしれたいのかもしれないけど、それにはとんでもないリスクがつきまとうし、「現実は、お前らが想像してるよりも厳しいぞ」ってことをスタローンは言いたかったんじゃないですかね。声高に何かを叫ぶのは簡単だけど、結局人質になっちゃって、それをランボーが暴力で助けてくれるわけだから。まぁ、ランボーがいてくれてよかったねって話だよね(笑)。
ログインして続きを読む