[切通理作の"ポニョ"評] 10点
(C)2008 二馬力・GNDHDDT
本当は点数なんかつけられないほど圧倒的な映画です。一見、子ども目線の映画に見えるけれど、『千と千尋』が両親を豚にして作品の主舞台から追いやったのと対照的に、子どものあり方を関係性の中で描いているから、見る側が「自分だけの『ポニョ』」を語ることができる。僕の場合は昨年、子どもが生まれたんですが、その子がまだ母親の胎内にいるときに、街中で幼い子が、人ごみをかき分けて寄ってきて、おなかの膨らみを覗き込むということがあったんです。まるで、中に何がいるか知っているかのように。そういうことが身近にあるとないとでは、全然見方も違ったと思います。言葉も知らないうちからのコミュニケーションですね。