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連載
町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第33回

明るくもアナーキーな白人一家が抱える闇

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【今月の映画】

『The Wild and Wonderful Whites of West Virginia』

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アメリカの山奥に住む、貧しくも"アナーキー"な白人一家を追ったドキュメンタリー。数多くの犯罪に手を染め、司法をもさじを投げた彼らの暴挙の裏には、アメリカの裏面史ともいえる移民たちが抱えた悲しき物語があった──。
監督/ジュリアン・ニッツバーグ 出演/ジェスコ・ホワイトほか。日本での公開は未定。

 ワイルドでワンダフルなウェスト・バージニアのホワイト一家』は、あるヒルビリーの家族の1年を記録したドキュメンタリー映画だ。ヒルビリーとはアメリカの山奥に住む貧乏な白人たちのこと。東部をジョージアからニューヨークへと南北に貫くアパラチア山地と、南部をミズーリからオクラホマへと東西に延びるオザーク山地に住んでいる。日本人は絶対に訪れない場所だ。

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