テレビでは実験的な試みが行われているが、radikoが公開されたことによって、聴取デバイスが増えたラジオ業界。だが業界内部ではどうとらえられているのだろうか?
人気のパーソナリティ・宮川賢氏。
今年3月15日より関東地区と関西地区で実用化試験放送が始まった「IPサイマルラジオ」、通称「radiko」。今までラジオの電波が届かなかった場所でも放送が聞ける、音質も向上した、など好意的な意見が多いが、実際、業界内ではどうとらえられているのだろうか? 80~90年代に、放送作家として『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)の黄金期を支え、現在では人気パーソナリティとして各局で活躍する宮川賢氏に、ラジオ情報ムック『ラジパラ』(三才ブックス)の編集長を務めた豊田拓臣が、radikoとラジオ業界の可能性と展望について話を聞いた。
──今回はラジオとITというテーマで、radikoが業界に与えた影響をお伺いできればと思います。まず単刀直入にお伺いさせてください。radikoに対してどのような印象を持ってらっしゃいますか?
宮川賢(以下、宮川) ようやく始まったか、と(笑)。遅すぎるだろうという感じですね。なにもしないよりはマシなので、良いことだとは思います。