──何かと新しいものが生まれる場所と目されてきたネットが、いつの間にか、当初期待されていたのとは違うものになっている──著書『ウェブはバカと暇人のもの』など、痛烈なウェブ批判を繰り返す中川淳一郎氏に、その原因と、日本のネットが持つ問題点を聞いた。
3月22日放映の『激震 マスメディア~テレビ・新聞の未来~』(NHK)と同時刻、USTでは小飼氏、堀江氏、上杉隆氏、津田大介氏、山本氏による『激笑 裏マスメディア』と題した番組が開催。
ツイッターやUSTREAM(以下、UST)のブレイク、ニコニコ動画の黒字化、iPadやKindleの登場による電子書籍の盛り上がりなど、活気づくウェブ業界。雑誌やテレビをはじめとする"オールドメディア"でも特集が組まれ、関連書籍も出版ラッシュ。イベントやシンポジウムも各地で盛況だ。
だが、一連の流れを眺めてみると、ある傾向に気づく。それは"論者の固定化"ともいうべき事態である。堀江貴文氏、勝間和代氏、山本一郎(切込隊長)氏、小飼弾氏など、"そういった"議論の場でよく見かけるのが、毎度同じような面々ばかりなのだ。かつて、意見も立場も違う多様な人々が入り混じって、自由闊達な議論が行われることが期待されていたネットでも、オールドメディア同様に論者の固定化が始まり、"ウェブ論壇"ともいうべきシーンが形成されてしまった印象だ。