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連載
荻上チキの新世代リノベーション作戦会議 第3回

"エセ脳科学"に騙されるな 【前編】

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若手専門家による、半熟社会をアップデートする戦略提言

■今回の提言
「「SF的想像力で、科学を"お花畑"から社会へ」

ゲスト/八代嘉美[幹細胞生物学者]

──社会の現状を打破すべく、若手論客たちが自身の専門領域から、日本を変える提言をぶっ放す! ということで始まった本連載、今回は『iPS細胞』などの著書を持つ幹細胞【註】生物学者の八代嘉美さん。内部にいるからこそ見える、日本のサイエンス界が抱いている問題を語ってもらいました。

荻上 今回お招きしたのは、本連載第一回(経済学者・安田洋祐さんとの対談)で、サイエンスコミュニケーターのロールモデルとして名前を挙げさせていただいた八代嘉美さん。幹細胞研究という再生医療の研究から出発されて、現在はSTS(科学技術社会論)や研究倫理といった領域に移りながら、各種メディアでの情報発信を通じて、積極的に社会に対するサイエンスコミュニケーションの実践にも携わられています。

 エセ脳科学ブームによる若年層バッシングや、ダイエット情報による健康被害など、科学をめぐる集合的な誤解や偏見がメディアによって拡大され、大きな問題になるという事例が繰り返されています。そうした中、最先端の学問的知見を元に、「実際のサイエンスの現場で行われているのは、こういうことなんだ」という情報発信を行う役割の重要性が、ますます高まっている。そこでまずは、正しい科学の理解に基づいて情報を広め、啓蒙していくという、サイエンスコミュニケーターなるものが登場してきた背景をお聞かせ願えますか?

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