6月18日に改正貸金業法が施行され、貸金業者からの借入残高を原則、年収の3分の1以下に制限された。返済能力が低く、借金地獄に陥る主婦や若者を助けるための改正と見られがちだが、事はそう単純ではないらしい。今回の改正に真っ向から反対する民主党・藤末健三議員、自民党・平将明議員に聞いた。
借りにくくなることは、本当に良いこと!?
──本号発売時には、改正貸金業法が施行されています。多重債務者救済のためといわれていますが、2人とも反対の立場をとられています。改正のポイントと問題点を聞かせください。
藤末(以下、藤) ポイントは2つ。ひとつは個人利用者が年収の3分の1までしか借りられなくなる総量規制の導入。もうひとつは上限金利の引き下げです。つまり、これらによって、貸し手はより慎重に貸し付けるようになり、借り手は借りにくくなるということ。主婦や若者を助ける改正と見られがちですが、実際の借り手には中小企業経営者が多く、その7割は個人経営です。青果店のお父さんが短期的に1000万円借りたくても、年収3000万円ないと借りられない。個人の借り入れも含めた短期的なやり繰りができなければ、彼らは商売ができません。