その華麗なるプレイから、黒い宝石とも呼ばれ、数多くの欧州チームでプレイしたカメルーンのエース・エトー。
──日本代表戦の初戦の相手は、世界有数のストライカー・エトーが率いるカメルーン。この戦いが予選突破の命運を分けることは言うまでもない。
"エトーとその仲間たち"──。カメルーン代表をひとことで言い表すならば、これしかないだろう。前線に君臨する絶対的なエースと、それを支える10人のチームメイト。よくも悪くも「不屈のライオン(代表の愛称)」は、エトーのチームなのである。
昨季まで所属していたバルセロナでは5年間でリーグ戦143試合に出場し、108ゴールをマーク。欧州王者を決めたマンチェスター・ユナイテッドとのチャンピオンズリーグ決勝でも、先制弾を叩き込むなど、その勝負強さは記憶に新しいところ。今季はイタリアのインテルに移籍したものの、高い決定力に陰りは見えない。
予選でカメルーンが奪った全23点のうち、エトーひとりで9ゴールを挙げている。それに次ぐのが3点を挙げた2選手だから、その存在は際立っている。左FWが定位置だが、気がつけばゴール前へ。一瞬で相手を振り切るスピードは抜群で、世界屈指の"点取り屋"といっても過言ではないだろう。