サイゾーpremium  > 連載  > 神保哲生×宮台真司「マル激 TALK ON DEMAND」  > 刑事裁判の不完全性と社会の敵が持つ浄化作...
連載
神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第41回

刑事裁判の不完全性と社会の敵が持つ浄化作用【中編】

+お気に入りに追加

前編はこちら

国民のカタルシスとして作用する社会の敵のつくり方

神保 しかし、そのようなイメージのレベルで、事件にかかわる報道がガラっと変わるというのも困ったものですね。さて、検面調書の内容と、法廷での証言の食い違いについて、弘中さんはどう捉えていますか?

弘中 非常に問題視しており、法廷でも取り上げています。食い違いの理由はいくつかあり、人によって違います。例えば、「検察官が嘘をつくはずがない」という思い込みがあり、検察官から「あなたは記憶にないと言うが、事実はこうなんですよ」と言われると、「そうなんだ」とその場では納得してしまうケース。ほかには、マスコミ報道の影響を受け、「自分は忘れていても、報道が正しいのだろう」というケースもあります。もっともひどいのは、検察官への供述から法廷の証言まで一貫しているにもかかわらず、検察官が調書に書いてくれないケース。つまり、検察官に対し、事実を述べるか述べないかではなく、検察官が作った調書にサインするかしないかという選択しかない、という場合があるんです。

神保 前福島県知事・佐藤栄佐久さんに関連する汚職事件の捜査では、関係者を公職選挙法などで軒並み引っ張り、「知事に対して不利な発言をすれば、保釈してやる」という、いわゆる人質司法が問題になりました。今回は、そうした形跡は見られますか?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年5月号

新・ニッポンの論点

新・ニッポンの論点

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】名取くるみ
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Lee Seou】八面玲瓏として輝く物言う花
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【雪村花鈴&山田かな】CYZOデジタル写真集シリーズ
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ